附属自然教育園

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スタッフブログ

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7月29日(水) オオチドメの効用
例年より早くトラノオスズカケが咲きはじめました。こんにちは、大澤です。

日頃、園内整備では手を保護するために軍手をはめて除草などの管理をおこないます。
しかし、水生植物園では軍手ははめず、素手で草を抜き取り管理をすることもあります。その方がより正確に植物の根元を掴むことができ、指先を器用に使い細部にわたり除草ができるからです。その代わり、指先を駆使するため擦り傷などあとが絶えません。

そんな折、カサスゲの伐根最中に葉の鋸歯で指先を切ってしまい、目にとまったのは地べたにほふくして生えたオオチドメでした。葉をもみ傷に押さえつけると血はやがて止まりました。和名のとおり血止めの効用を確かめるきっかけとなりました。どんな薬効成分があるのでしょうか。オオチドメはウコギ科の多年生植物で年中草刈りした明るい湿った場所を好みます。葉は光沢があり上を向いて生えているのですぐ見つかると思います。

昔、松平の殿様の庭にも薬草園があったとされますが、その頃にはもう薬草としてオオチドメもたくさん育苗されていたのでしょうか気になります。


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7月24日(金) 変わった名前のシダ
こんにちは、久永です。

夏休みに入ると、学生・生徒の皆さんが学校の課題などのために来園されます。
特に「シダ植物」は、毎年調べに来る生徒さんが多いようです。

この時期には、ホシダ、ミゾシダ、アスカイノデなど、青々としたシダ植物が多く観察できます。
中でも、来園者に人気なのが「リョウメンシダ」。
名前の面白さからか、植物名ラベルの前で立ち止まる方が多くいます。

このシダは、葉面の色合いや光沢の様子が表・裏とも非常に似ていることから「リョウメンシダ(両面シダ)」の名がつけられました。
比較的若い葉を裏返して見てみると、色鮮やかでつやつやしていて、裏面の方が逆に表面に見えるくらいです。

さて、このリョウメンシダ、秋になると葉の裏の胞子のうが目立ってきて、「リョウメン」っぽく見えなくなってきます。

リョウメンシダは入口から路傍植物園に入って比較的すぐの所にありますので、葉の裏面も観察してみてください。

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7月18日(土) クズの花
 こんにちは、遠藤です。

 今の時期、水鳥の沼でクズ(葛)の花を見ることができます。秋の七草のひとつに数えられ、紅紫色の美しい花を咲かせます。 
 クズの名の由来は奈良県の国栖(くず)が葛粉の産地であったことが由来とされています。
 
 根が和菓子などに使われる「葛粉」の原料として知られるほか、花やつるなどあらゆる部分に薬用・食用・工芸といった用途があり、古くから人との関わりの深い植物だといえます。
 
 ただし、管理上はなかなかに厄介な植物です。放っておくと旺盛に茎を伸ばし、樹木に巻きついて生長を阻害します。繁殖力が非常に強く、種子繁殖のほかに地上をつたう茎から根を出して株を広げていきます。この時期は展示用に一部を残すほか、過剰に伸びたクズの除去も我々維持管理スタッフの仕事の一つです。
 
 クズは園内の様々なところで目にできますが、花が近くで観察できるポイントは水鳥の沼だけです。目印は「水鳥の沼」の丸太標識で、ちょうどこれを覆うようにクズが繁茂しています。お通りの際はぜひご覧ください。

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7月12日(日) 自然史セミナー
 こんにちは、遠藤です。

 本日は自然史セミナー「トンボの生活と見分け方」(講師:国立科学博物館 動物研究部 清 拓哉)が開催されました。

 講義の前半はどんなトンボがいるのかという話から始まり、専門家が種を同定するポイントや、いわゆる赤とんぼであるアキアカネやその仲間のアカネ類の判別の仕方についての解説がありました。 

 後半はトンボの生活にスポットを当て、生息する環境やどのように成長していくのかについての解説が主でした。卵からヤゴになる間の状態、羽化してから成熟するまでの行動など、あまり聞かない話も多かったのではないでしょうか。

 また講義の合間や終了後の時間に、講師が持参したトンボ標本を観察する場を設け、より講義内容への理解を深めていただきました。

 今の時期、自然教育園でも水生植物園などを中心に、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ギンヤンマなどを目にすることができます。
 園を訪れた際には、ぜひどんなトンボがいるのか探してみてください。

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7月11日(土) ミソハギ
今年は梅雨の晴れ間が大変貴重に感じる日々です。

こんにちは、事務室uです。

水生植物園では、ミソハギの花が見ごろを迎えています。漢字では禊萩と書き、精霊花・盆花として、お盆の供物の一つとされています。

先祖の霊を祀る仏事であるお盆は、関東では今月15日を中心に行われることが多いようです。

ミソハギの花は、淡紅紫色の6弁の小さい花が穂のように数個集まって咲いています。

開花時期が例年8月頃までなので、ご来園いただき、このおりに是非ご観賞下さい。

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