生物記録情報

2010.6.30
 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はノカンゾウとヤブカンゾウの花、ハンゲショウの花、ヒメコウゾの果実です。
 ノカンゾウはユリ科ワスレグサ属の多年草で、湿った草地に生えます。この仲間は朝咲き、夕方にはしぼんでしまう1日花です。ノカンゾウという名前は漢名の「野萓草」から来ています。日本では古くはワスレグサと呼ばれていました。憂いを忘れさせる草という意味です。水生植物園と武蔵野植物園で多く見られます。
 八重咲きのヤブカンゾウは中国からの帰化植物と考えられています。園内ではノカンゾウに比べると数は少ないですが、こちらも水生植物園と武蔵野植物園で見られます。
 ハンゲショウはドクダミ科ハンゲショウ属の多年草で、湿地に群生します。名前のいわれは、夏至から11日目、7月2日頃より5日間を半夏生と呼びますが、この頃花を付けるので「半夏生」という説と、葉が半分白く化粧しているので「半化粧」という説の二つがあります。水生植物園、中央湿地、森の小道で見られます。
 ヒメコウゾはクワ科コウゾ属の落葉低木です。和紙の原料として樹皮が使われることで知られるコウゾは、この日本野生のヒメコウゾと南方起源のカジノキの雑種です。赤く熟したヒメコウゾの果実は甘く、鳥の餌となっています。水生植物園から森の小道への入口付近で見られます。

〔樹木〕
(咲き始め) カラタチバナ、ヤブコウジ
(花の見頃) センリョウ、ネムノキ、ムクロジ
(花そろそろ終わり)  ガクアジサイ、ケンポナシ、ナンテン
(実の見頃) イヌザクラ、ヒメコウゾ

〔草〕
(咲き始め) コバノカモメヅル、コヒルガオ、シロネ、タケニグサ、ツユクサ、ヌスビトハギ、ミズヒキ、ミソハギ、ヤブマオ、ヤブミョウガ
(花の見頃) アサザ、イヌヌマトラノオ、ウマノミツバ、オオチドメ、オオバギボウシ、キツネガヤ、クサノオウ、ケキツネノボタン、シロツメクサ、タカトウダイ、チゴザサ、チダケサシ、ネジバナ、ノカンゾウ、ハエドクソウ、ハグロソウ、ハンゲショウ、ヒメガマ、ヒメジョオン、ホタルブクロ、ミツバ、ヤブカンゾウ、ヤマホタルブクロ
(花そろそろ終わり) アイイロニワゼキショウ、クサフジ、トウバナ、ドクダミ、トモエソウ、ナガバハエドクソウ、ニワゼキショウ
ノカンゾウとヤブカンゾウの花
ノカンゾウとヤブカンゾウの花
ハンゲショウの花
ハンゲショウの花
ヒメコウゾの果実
ヒメコウゾの果実
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